岡坂弘毅 オペラ歌手

オペラ歌手岡坂弘毅が気になった事

イタリア留学中に千と千尋の神隠しを見に行った時の話

約1年半ほどイタリアにいまして真面目に言葉を勉強し、

歌のレッスンにも通い、頑張っていました。

 

今まで電車は1時間に2本しか来ないような田舎で高校生活を過ごし、

大自然と美味しいものに囲まれ、温泉や山、川を堪能した大学時代、

その頃は全然気がつきませんでしたがイタリアに住むと本当に日本が好きなんだなと

心から思いました。

 

イタリアにいて当時は電話も日本へはカードでかけ、今みたいにテレビ電話もしませんでしたが、日本の映画、アニメなどはたくさんありました。

 

テレビではドラゴンボール、らんま、めぞん一刻、コナン、ドラえもん、自分が見たことのない昔のアニメまで、

 

漫画もたくさん売っていたので日本ロスはそれで解消できました。

 

ある日友達が

「今晩、映画館で千と千尋の神隠しをやってるから見に行こう」

 

と誘ってくれ、お!面白そうと行くことにしました。

 

日本の映画館はワーナーマイカルとかとても整っていて綺麗で

ポップコーンなんかもあってとても心地よい。

 

四国で行った映画館も広くなくても店員さんが居て、食べ物を売ってくれて、

見やすいようにと気を使ってくれてやっぱりとても楽しい。

 

そんなイメージでまた気の小さい自分は場所がわからなかったら嫌だし、

待たせるのも嫌なので結構早めに映画館に行くとシャッターが閉まってる!

 

あら間違えたかな?でも場所は正しいし、映画館と書いてあるし、

しょうがないので待っていましたが開演時間の15分前になっても開かない。

 

あら?今日はやらないのかな?

 

と思っていてら、人もぼちぼち集まってきて、おもむろに

 

ガラガラ!と映画館を開ける。

 

なるほど、開演!

 

千と千尋の神隠し!イタリア語に神隠しなんてあるのかなと思ってタイトルを見ると

 

La citta incantata

 

と言うタイトル。単純に訳すと魅惑の街。

 

千と千尋は気に入って何回も見ていたのでセリフまで覚えていたので

文化のギャップはあるよな、これを見てイタリア人はわかるのかな?

ここはどんな日本語になるのかなとかそんなことばっかり気になって

しまいました。一番イタリア人がウケてたのは千尋が電車に乗って

銭婆のところへ向かうのに釜爺から説明を受けるシーン!

の後ろでネズミが呪いの黒い虫を踏んで潰したことを再現してるシーン。

やっぱわかってなかったのかな。

 

全部イタリア語が理解できるわけではないのですが、なんとかして単語を

聞き取って反応を見てと楽しめました。

 

都会の映画館に行けばもっとハイテクな感じかもしれませんが田舎の

映画館でしたこの体験はとてもいい経験でしたね。

 

すべてが綺麗で整っていなくてもみんな楽しんでいたし、そこの人にとっては

それが普通、自分も最初は今まで普通だと思っていた映画館で映画を見ると

いうことのイメージが変わりました。

 

 

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